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ラナンキュラスフィカリア
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「春の妖精」とも呼ばれる儚げな花
ラナンキュラスフィカリアのRanunculus(ラナンキュラス)は、ラテン語のrana(蛙)が語源になっています。これはラナンキュラスフィカリアが、カエルがたくさんいるところに生えることに由来しています。
ハート型の小さな葉と輝くような花が魅力のラナンキュラスフィカリアは、春先のわずかな時間のみ、地上部に姿を現す儚げな花。そのため「春の妖精」とも呼ばれています。
一重咲きから八重咲きへ
ラナンキュラスフィカリアは「ヒメリュウキンカ」とも呼ばれますが、リュウキンカ属ではありません。山地の水辺に咲くリュウキンカとは別の植物で、リュウキンカより小型で丈夫なので栽培しやすいです。ラナンキュラスの原種は本来一重咲きでしたが、18世紀にヨーロッパで大流行し八重咲きが誕生しました。その後、アメリカや日本でも品種改良が行われました。幾重にも重なった花弁は「がく」が花弁化したものだそうです。
ヨーロッパでは「レッサーセランダイン」という名で、ヨーロッパ~シベリアにかけて分布しています。
ルリジサ
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勇気のシンボルとされたスターフラワー
ルリジサは「ボリジ」「ボラゴ」「スターフラワー」などの別名を持ち、憂鬱を追い払い、幸福と平和をもたらすハーブとして古くから親しまれてきました。青く美しい星形の花は、その昔聖母マリアの青い衣を描く際に絞り汁を使ったことから「マドンナ・ブルー」とも呼ばれています。あの高貴な印象はルリジサの青色がかもし出していたのです。
ルリジサは勇気のシンボルともされ、古代ギリシアでは、兵士達の出陣前にはルリジサを浮かべたワインを飲んでいたようです。
また、ボリジオイルとも呼ばれるこの油は、古くからアボリジニに万能薬として使われてきました。
ルリジサの花はエディブルフラワー
ルリジサ種子油とはルリジサの種子から得られるオイルで、月見草の2倍以上ものγリノレン酸を含み、ルリジサのほとんどの部分が食用になります。若葉は花密に富み、甘味があるのでサラダや天ぷらにしてもおいしく食べられます。花はエディブルフラワー(食べられる花)なので、凍らせてアイスキューブにするのもオシャレです。風邪をひいた時は、ハーブティーにすると体も温まります。
ルリジサを育てるときは、トマトのそばに植えると害虫を防ぐ効果があり、イチゴのそばに植えると発育を助け合います。
レモン
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日本の20倍ものレモンを消費する国
レモンの原産国は紀元前3,000年頃のインダス文明周辺と言われていますが、一大産地である地中海沿岸地域にたどり着いた時期は分かっていません。ただ、ギリシア神話の中でレモンを「黄金の果実」と呼んでいたことから、少なくとも紀元前900年頃にはギリシアに伝わっていたと考えられています。
一大産地である地中海沿岸諸国ではレモンの消費量が高く、特にギリシアでは日本の約20倍ものレモンが使われ、毎日の食卓に欠かせないものとなっています。ギリシアの家庭では、庭でレモンの木を育てていることも多く、いつもたっぷり常備されているのが当たり前だそうです。
意外と知らないレモンの力
レモン果実エキスとはレモンの果実から抽出するエキスのことで、クエン酸や天然ビタミンC・E、ペクチン、レモンポリフェノールをはじめとする諸成分を豊富に含みます。 日本ではレモンティーに用いることが多いようですが、ギリシアでは「レモナート」と呼ばれるレモンで味付けされたお肉の伝統料理があり、料理にも頻繁に利用されています。塩の代わりにレモンをひと振りすると減塩にもなり、さらに牛乳に数滴のレモンを搾れば、カルシウムの吸収率はほぼ100%になります。
レモンバーム
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「長寿のハーブ」と呼ばれたレモンバーム
メリッサという名前は「ミツバチ」を意味するギリシア語のmelittenaに由来し、芳香に誘われてミツバチが集まってくることから名付けられたそうです。別名「レモンバーム」とも呼ばれ、レモンに似た香りがしますが、この2つの植物は植物学的には無関係です。
レモンバームは、ヨーロッパでは古くから「長寿のハーブ」「不老長寿の秘薬」と呼ばれていて、その昔レモンバームに蜂蜜を加えて毎日飲み続けたお陰で、100歳以上長生きしたという逸話が数多く残っているそうです。
レモンの香りでリラックス
メリッサエキスとは、メリッサ(コウスイハッカ)の葉から抽出したエキスです。ポリフェノールやフラボノイド、タンニンなどを含み、料理やアロマテラピーなど幅広く利用され、香りを嗅ぐだけでイライラや気分の落ち込みを緩和させ、爽快感を与えてくれると人気のハーブです。
消化や食欲を促し、レモンに似た香りがするのに酸味がないので、生葉を刻んでオムレツやパスタ、コロッケに混ぜたり、ホワイトソースに加えて魚料理のソースとしてもおいしく調理できます。サラダやドレッシングに浮かべても爽やかな風味がピッタリです。ハーブティーはリラックス効果が高く、相性の良いハーブが多いので色々なハーブとブレンドできます。
また、とても生命力が強いので放っておいても毎年花をつける、最も育てやすいハーブです。
ローズ
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薬剤師のバラ
ガリカローズの歴史は大変古く、フランスでは古くから薬剤の原料として多数育てられていたため、「Apothecary's Rose」(薬剤師のバラ)と呼ばれていたそうです。現代医学にも影響を与えたローマの医者ディスコリデスの著した薬物誌「マテリア・メディカ」には600のハーブが記述されていますが、そこにはバラ香油の調整法や首飾りのかわりに婦人の首にかけて用いると不快な汗の匂いを消すバラの匂い玉の作り方等が詳しく説明されています。
最古の園芸種のひとつ
美しさ甘く魅力的な香りで「花の女王」と讃えられるローズは、世界中に2万種を超える品種があると言われていますが、ヨーロッパに古くからある原種はガリカ種、モスカータ種、ダマスケーナ種、アルバ種、ケンティフォリア種の5種です。ガリカ種は唯一ヨーロッパ自生の赤いバラで、紀元前には宗教上神聖な植物として栽培されていました。
原産地は小アジアと言われ、13世紀に十字軍が帰還する際フランスへ持ち帰ったとされています。中世にはバラ戦争で有名なランカスター家の紋章にも使われました。
ローズウッド
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絶滅の危機を脱する法律とは
ローズウッドの木は南米アマゾン流域に生育し、絶滅の危機が顕在化するとても貴重な植物です。その為ブラジル政府は、ローズウッドの木一本を伐採する度に一本植樹しなければいけないという法律を定め、資源保護に努めています。
ローズの甘い香りをウッディ調にしたような香りがすることから、「ローズウッド」(バラの木)の名前がついていますが、植物種はバラとは全く異なります。香水や入浴剤、化粧品の原料に用いられ、アロマテラピーに使われるようになったのは、比較的最近のことです。木材は、フランスでは飾り棚やナイフの柄などの材料として使用されてきました。
アロマで明るい気分に
ローズウッド油とは、ローズウッドの木から抽出したエッセンシャルオイルで、天然のリナロールを多く含みます。ウッディでフローラルな香りで、アロマテラピーで用いる際には、気分を明るく前向きにしてくれると人気のオイルです。作用が穏やかで比較的安心して使えるオイルなので、ティッシュペーパーに少しつけて香りを吸い込むだけで元気づけてくれます。また、夏場の入浴などに使用すれば、天然のデオドラントとして活用することができます。
マンダリン・ベルガモット・オレンジ・グレープフルーツ・ラベンダー・イランイラン・ローズマリーなど他のオイルともブレンドしやすいことも人気の秘密です。
ローズマリー
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「若返りのハーブ」と呼ばれるローズマリー
ローズマリーという名前はラテン語のrosmarinus(海のしずく)に由来し、海岸近くに生育することから名付けられたそうです。また、聖母マリアがエジプトへ逃げる途中、野宿のために自分の青いマントをローズマリーの上にかけたところ、それまで白かったローズマリーの花が一夜にしてブルーに変わったという伝説から、「聖母マリアのバラ」(ローズ・オブ・マリア)という別名を持っています。
古くから「記憶力を高めるハーブ」「若返りのハーブ」として利用されてきたローズマリー。エリザベート王妃はローズマリーの化粧水を使い若さを取り戻し、77歳の時にポーランド王にプロポーズされたと言います。
スッキリとした香りで料理にも人気
ローズマリーはロズマリン酸やポリフェノールを含み、スーっとした刺激のある香りが特徴的です。 料理に用いる際は肉や魚の臭み消しや、殺菌作用で肉の鮮度を保つのに良いとされています。ドレッシングを作ったり、オリーブオイルやビネガーに加えたりして漬けておくと、ローズマリーのすっきりとした香りとコクがオイルに溶け出し、とても深みのあるオリーブオイル、ビネガーになります。相性の良い食材は、肉や魚、バター、野菜ではじゃがいもやカブ、カリフラワーなどです。中でも肉・野菜料理ではムニエルやソテーといった、食材に火を通して作る料理が良好です。